翡翠の旦那は俺に先に行っていいと言う。
後ろから大物を釣り上げるんだと。
自信満々でムカつくぜ。
最初の鱒は、いきなり来た。
川に入って少し釣り上がったところ。
川幅が狭まり、ガンガンに流れる瀬のど真ん中。
かかると一気に下って行き パッーン! と跳ねた。
が、次の瞬間上流へ。
虹鱒ってこんなに速いか??
慌ててラインを手繰り寄たせた。
上流に上りたがる鱒を押さえ込み、止めた。
これからのやり取りを考え、慌ててあまっているラインをリールに巻き取った。
ラインをリールに巻き取ると、気持ちに余裕が生まれた。
引きと走りを楽しんでいた。
もう勝ったと思ったんだよ。
しかし甘かったね。
鱒は俺の足元に向かって疾走して来ると、プイッと向きを変え対岸に走った。
何とかテンションを保とうとする俺に向かって、鱒は再び疾走して来た。
そして再び対岸に走ったよ。
ラインからテンションが消え、鱒が泳ぎさるのが見えた。
膝の力が抜け、へたり込み、天を仰いだよ。
最後の夜の酒はいただき!って思っちゃたからさ。
今回の旅で、一番でっかい魚を釣った男は、最後の夜に賞賛とともに美味い酒をご馳走になる約束になっているのだ。
名付けて 第一回ススキノカップ
ガハハ
まぁ~、ホントは、ただただ鱒に逃げられたことが悔しかっただけだけどね。
その後は、20cmくらいのチビ鱒が釣れるだけ
ちょっと良くても30cmくらい。
なぜか普段釣り逃すヤマメも釣れた。
翡翠の旦那も同じような感じ・・・
小さいのしか釣れないのは、ヤツのオコナイの悪いせいか??
そんな事を思いながら釣り上がって行き、対岸に出来た、いかにも怪しそうな場所にフライを流した。
出るならココ!
ってところにフライが差し掛かると、水面が盛り上がり、巨大な背中が6番のフライを持っていった。
で、で、でたぁ~~~!
ピュッ
ロッドは空を切り、フライは空に舞った。
あわせが早かったか?
またもや膝から力が抜けて座り込んじゃったよ。ガハハ
最後に大きくは無いけど、戸蔦別川らしい(と俺が思う)風貌の鱒が釣れ、川から上がった。
釣り下っていった番人兄貴もでっかい鱒は釣れなかったって。
まぁ~、まだ初日だからこのくらいにしておこう。
夕飯は何にする?
俺は行きたいところがあったのだ。
みんなにわがままを言い、屈足まで走った。
空腹だったけど、食べたい物があったのだ。
消えそうな記憶だと確か・・・
だるまや
そういう名前の食堂。
前にバクチャンなんかと行った時に食べたモツ煮をもう一度食べたかった。
ナビで検索したけど出てこない。
潰れたか?
記憶を頼りに行ってみたら、ちゃんとあった。潰れてなんかいなかった。
ただ、店の名前を間違って覚えていただけ。
だるま と たこ
赤くて丸い頭で似てるだろ?ガハハ
店は改装されていた。
中に入るとお店の主も、バァーチャンから息子夫婦に引き継がれていたよ。
味噌の土手のモツ煮は今はやってないんだってさ。
でも、美味かったよ。
美味すぎて、この日以降、毎日行っちゃった。ガハハ
公園の駐車場で、静かに乾杯し床に着いたよ。
翌日の釣りの話しは、また後で。
あ、初日トップは、この俺様。
だって、サイズ測ったの俺だけだから~
ガハハ