絶対ここだ。
俺は靴の紐を締めなおし、その沢に入って行った。
ここが滝か?ココが滝か?と思うほど急な沢を200mほど進むと、崖に当たった。
見上げる上部は切れ込んでいて、爺さんの言った水の無い滝だとわかった。
まっすぐは登れない。右側から巻いて滝の上に出た。
沢にはやはり水は無く、石がゴロゴロと転がっているだけだ。傾斜はいくらか緩くなったが、そこから先が長かった。石の上を飛び越えながら上流を目指した。
本当に川があるのか?疲れたなぁ~。。。なんて、何だか嫌になってきた頃、沢のところどころに水が溜まっているところが現れた。俺はヤル気を振り絞り急ぎ足で沢を登った。
やがて次の滝が見えてきた。ここにも水は無かったが、もう疑うことは無かった。爺さんの言うとおり、水の無い2つ目の滝があった。
ここは落差があまり無くやはり右側から巻いてすぐに登ることができた。
登っている途中、ハッとした。
水の流れている音が聞こえたのだ。
慌てて登りきると目の前のゴロゴロと転がる石の間に流れが見えた。
爺さんの言うとおりだった。
つづく
この話はフィクションです。